「2ひきのわるいねずみのおはなし」
ピーターラビットの絵本 第3週⑦
ビアトリクス・ポター 作・絵
いしいももこ 訳
福音館書店
ねずみの夫婦と美しい人形の家
ねずみの夫(トム・サム)と、婦人(ハンカ・マンカ)のおはなし。
ねずみの夫婦は人間の子ども部屋の暖炉の横にある穴の中に住んでいます。
子ども部屋には、とても美しく華やかな人形の家があります。
ねずみの夫婦は、人形の家の住人(もちろん人形)と家の持ち主の子ども(人間)が外へ出かけた隙に、人形の家へ忍び込み色んな事をしでかします。
人形の家の物がすべてねずみ夫婦のサイズにぴったりなのが、またこのお話の面白さを増しています。
ビアトリクス(作者)、あなたはねずみになったことがあるのかい?
と思うほど「ねずみ目線」で面白く描かれています。
さらに、美しい人形の家の描写がうっとりするほど細かく描かれ、卓越し、
ところどころに子どもを一人の「人」として扱う表現が、ぐっとリアリティを増して惹きつけます。
この人形の家は、ビアトリクス・ポターの編集者ノーマン・ウォーンの姪が、実際に持っていたものがモデルです。
ノーマン・ウォーンはビアトリクスの才能を最初に花咲かせた人であり、婚約者でもありました。2人のことは映画「ミス・ポター」でご覧になれます。
作者肝いりの作品と思っても過言ではない、面白く美しい一冊です。
✻まずはここから。映画「ミス・ポター」についても下記のおはなしで少しだけ書かせて頂いています。

ただ事ではないワイルドストーリー「ピーターラビットのおはなし」第一集① という絵本の紹介です。...
✻ピーターラビットの絵本第3週は3冊ともねずみのおはなし。力作ぞろいです。

几帳面な奥さんと不躾な客たち「のねずみチュウチュウおくさんのおはなし」という絵本の紹介です。...